がんゲノム医療センター

当院のがんゲノム医療について


はじめに


当院は、がんゲノム医療連携病院として、新潟大学医歯学総合病院と連携し、がんゲノム医療を実施しています。


がんゲノム医療とは


がんゲノム医療は、患者さんの遺伝子変異を解析し、その結果に基づいて最適な治療法を提案する「個別化医療」の実現を目指す医療です。当院では、保険適用されたがん遺伝子パネル検査を活用し、治療薬や臨床試験の選択肢を提示しています。新潟大学医歯学総合病院とのエキスパートパネルにおいて、各分野の専門職が多角的な検討を行い、安全かつ有効な治療支援に努めています。また、紹介元の医療機関と連携し、患者さんの診療に支障が生じないよう迅速な対応を心がけています。さらに、遺伝子パネル検査の結果、二次的所見から遺伝性腫瘍の可能性が示唆された場合には、遺伝カウンセリングにも対応しています。なお、がんゲノム医療の詳細については、がんゲノム情報管理センター(C-CAT)が公開している一般向けホームページでもご覧いただけます。


国立がん研究センターがんゲノム情報管理センター

https://for-patients.c-cat.ncc.go.jp/


当院のがん遺伝子パネル検査の実施状況


当院のがん遺伝子パネル検査の実施状況"



がんゲノム外来について


がんゲノム外来は、がん遺伝子パネル検査の受検を希望される患者さんを対象とした外来です。原則として患者さんご本人にご来院いただきます。受診時の全身状態や臓器機能の状況によっては、検査の実施が困難な場合がありますので、ご了承ください。



紹介方法


がんゲノム外来の予約を希望される場合は、以下の書類①~④をダウンロードのうえ必要事項をご記入いただき、病診連携を通じてご予約ください。当院でがん遺伝子パネル検査の適応を確認後、受診日を決定いたします。当院を初めて受診される方は、予約時間の30分前までに外来受付にて初診手続きをお済ませください。



予約時の必要書類 ※①~④の書類を、下記よりダウンロードのうえ、ご使用ください



がんゲノム外来受診時にご持参いただくもの


  • 健康保険証又はマイナンバーカード
  • 受給者証(前期高齢者、特定疾患)、限度額認定書などの医療費公費負担の証書
  • 診療情報提供書(紹介状)の原本
  • CT/MRI等の画像データ(必要時)


遺伝子パネル検査の費用

 ※高額医療の適用となります。


(初診日)440,000円(3割負担の場合は132,000円)

(検査結果説明日)120.000円(3割負担の場合は36,000円)



当院で実施中の遺伝子パネル検査


※当院では保険適用の遺伝子パネル検査を実施しています。



遺伝子パネル検査(固形がん)

  NCCオンコパネル Foundation One CDX GenMineTOP ヘムサイト
解析遺伝子数 124 324 737 845
使用検体 組織:3年以内推奨
腫瘍割合:20%以上
5um10枚
末梢血2ml
組織:3年以内推奨
腫瘍割合:20%以上
5um10枚
組織:3年以内推奨
腫瘍割合:20%以上
5um16枚
末梢血2ml
血液、骨髄液、組織、正常対照(粘膜/爪)
コンパニオン診断 あり あり なし なし
MSI × ×
TMB ×
二次的所見 遺伝学的検査が必要 ×


遺伝子パネル検査(血液)

  Foundation One Liquid CDX Guardant360 CDX
解析遺伝子数 324 74
使用検体 専用採血管による末梢血8.5nl×2本 専用採血管による末梢血10ml×2本
コンパニオン診断 あり あり
MSI ×
TMB ×
二次的所見 遺伝学的検査が必要 遺伝学的検査が必要

令和8年3月現在



がん遺伝子パネル検査でわかること


(1)がんの原因となる遺伝子の特定

がん細胞の遺伝子(DNA)を調べることで、どの遺伝子に変異があるかがわかります。

(2)最適な治療法の選択

特定の遺伝子異常に対して効果のある分子標的薬や免疫療法の選択が可能になり、個別化医療が可能となります。

(3)治療薬の効果や副作用の予測

遺伝子変異の情報から、薬が効きやすいか、副作用が出やすいかの判断材料になります。

(4)遺伝性腫瘍の可能性の予測や確定

がん遺伝子パネル検査では、遺伝性腫瘍の可能性が示唆される場合があり、その結果からご本人だけでなく血縁者の方にもがんの発症リスクが判明することがあります。該当する場合には、ご希望に応じて遺伝カウンセリングを受けていただくことが可能です。



がん遺伝子パネル検査を受けるかたの適応基準


(1)標準治療が終了、または治療の選択肢が限られているかた

(2)原発不明がん(がんの発生部位が特定できない場合)

(3)小児がん・希少がん・難治性がん

(4)治験や臨床試験に参加を検討しているかた



遺伝子パネル検査の流れ


がんゲノム医療の流れ



遺伝子パネル検査の結果について


検査結果は検査提出後、約1か月半程度お時間を要します。結果説明時は可能な限りご家族とご一緒に来院していただく必要があります。

ご説明内容は、以下となります。

(1)がん細砲の遺伝子変化に関連して、今後の治療の選択に有用だと判断された情報

(2)次世代に受け継ぐ可能性のある遺伝子の変化に関する情報

検査結果説明後は主治医の先生に報告書を送ります。報告書の結果をもとに治療方針について、主治医の先生と患者さんとの話し合いになります。

また、がんになりやすい体質と関連する遺伝子変異を認めた場合に、同意書に結果の開示を希望するかたには結果をお伝えします。



遺伝カウンセリングのご紹介


生殖細胞系列の遺伝子に、がんの発症リスクに関わる遺伝的変化が認められた場合には、遺伝カウンセリングを受けていただくことが可能です。遺伝カウンセリングをご希望の際は、当院の専門部署にて対応いたします。



遺伝カウンセリングの費用


遺伝カウンセリングの費用につきましては別途ご案内します。



お問い合わせ


遺伝子パネル検査をご希望される患者さんがいらっしゃいましたら、医療連携室経由でがんゲノム外来の予約が必要となります。ご不明な点は以下にご連絡ください。


新潟県立がんセンター新潟病院 連絡先(代表):025-266-5111

がんゲノム医療センター 内線2259




遺伝子パネル検査について よくあるご質問(FAQ)


Q 遺伝子パネル検査とは何ですか?

複数の遺伝子を同時に調べることで、がんの原因や治療方針、薬の効果などに関する情報を得る検査です。


Q 誰が対象になりますか?

進行がんで標準治療が終了・または無効となった患者さんが主な対象です。がんゲノム医療中核拠点病院や連携病院で医師が適 応を判断します。


Q 保険は適用されますか?

条件を満たせば、保険診療として実施されます(※2025年現在、日本では一部のパネル検査に保険適用あり)。


Q 結果が出るまでどれくらいかかりますか?

検査から結果の報告までに約1か月半~2か月程度かかります。


Q 遺伝性のがんかどうかもわかるのですか?

一部の患者さんでは、二次的所見(遺伝性腫瘍)が見つかる場合があります。


Q 家族に影響はありますか?

遺伝性腫瘍が疑われる場合、その情報が血縁者にも関係する可能性があります。希望があれば、ご家族も遺伝カウンセリングを受けることができます。


Q 治療につながる可能性はありますか?

がんの遺伝子異常に対応する治療薬(分子標的薬など)が見つかれば、治療の選択肢が広がる可能性があります。ただし、すべての患者さんに有効な薬が見つかるとは限りません。


Q 検査で全てのがんの原因がわかるのですか?

すべての原因がわかるわけではなく、検査対象外の遺伝子や未知の変異については判定できません。


Q 遺伝カウンセリングは必要ですか?

遺伝性の変化が疑われる場合には、遺伝カウンセリングが推奨されます。患者さんや家族が遺伝についての理解を深め、医療者がよりよい選択をお手伝いするための診療の場になります。