がんゲノム医療センター

がんゲノム医療センターについて

ご挨拶


がんの原因が遺伝子の変異であることが明らかとなり、その遺伝子変異を標的とした薬剤の開発が進み、がん患者さんの福音となっております。これまでは同じ臓器のがん(例えば肺癌など)では、どの患者さんでも同一の治療法が選択され、その効果は個々の患者さんで様々でした。これは患者さん一人一人でがんの原因となる遺伝子変異が異なることにより生じているものと考えられます。新たな「がんゲノム医療」では、患者さん一人一人の原因となる遺伝子変異を同定し、その遺伝子変異を標的とした薬剤を用いることにより最良の効果を提供する医療を目指しております。


【遺伝子】とは…生物の体をつくる設計図。

【ゲノム】とは…生物がもつ遺伝子(遺伝情報)の全体を示す言葉。

【がんゲノム医療】とは…がんの組織を用いて、多数の遺伝子を調べ(がん遺伝子パネル検査)、遺伝子変異を明らかにし、患者さん個人の病状に合わせて治療を行う医療。


当院は本県唯一のがん専門病院として、2002年12月に地域がん診療拠点病院、2007年1月からは都道府県がん診療連携拠点病院の指定を受け、県民の皆様に良質ながん医療を提供してまいりました。2018年10月にがんゲノム医療連携病院の指定を受け、2019年4月に「がんゲノム医療センター」を設け、2020年3月から「がん遺伝子パネル検査」を開始しました。更には同年7月に小児がん領域においても検査が実施できる体制を整えました。がんゲノム医療拠点病院である新潟大学医歯学総合病院及び小児がん領域の国立成育医療研究センターと連携して、県民の皆様に「がんゲノム医療」を提供してまいります。


がんゲノム医療センター長 中川 悟