院長あいさつ

院長 田中 洋史

日本では、1981年から連続してがんが死亡原因の最多を占めています。人口動態統計によると2023年1年間で、全国では396,189人、新潟県では7,838人の方が、がんのために亡くなられており、これは全死亡数のそれぞれ25.1%、23.6%を占めていました。新たにがんと診断される方も増加傾向が続いており、その背景には人口の高齢化に伴うご高齢のがん患者さんの増加があります。ご高齢のがん患者さんでは、体力の低下や合併症などのために標準的な治療を受けていただくことが難しい場合があります。しかし一方では、お元気なご高齢のがん患者さんも多くいらっしゃいます。


近年、ゲノム医療、免疫療法、ロボット手術、高精度放射線治療など、新しい医療技術の開発導入により、効果が高く、患者さんの負担の少ない治療選択肢が増加しました。ご高齢のがん患者さんであっても、よりよい治療を受けていただける場面が増えてきています。また、高い治療効果により、進行期のがんであっても長期にわたって安定して療養を継続される患者さんもいらっしゃいます。


国の第4期がん対策推進基本計画では、全体目標として「誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す」が設定され、がん予防、がん医療、がんとの共生の3分野で具体的な目標と方策が示されました。“誰一人取り残さない”、“全ての国民と”、といった言葉には、ご年齢や居住地などにかかわらず、それぞれの患者さんに最適のがん診療を提供しようという決意が込められていると考えています。


当院は3分野のそれぞれにおいて、新潟県の都道府県がん診療連携拠点病院としての役割を果たしてまいります。


がん予防;

  • 行政や地域の皆さまと協力し、がん検診の重要性や、がんを予防するための生活習慣について発信します。
  • 市民公開講座などの機会で地域の皆さまとの交流を進めます。

がん医療;

  • 標準的な治療を確実に実践し、最新のがん医療技術を学んで導入します。
  • 新しい治療法についての研究や開発を進めます。
  • 知識、技術や経験について他の医療機関と共有、連携し、がん医療の均てん化を進めます。

がんとの共生;

  • 相談支援の充実により、患者さんとそのご家族のお気持ちに寄り添い、支えます。
  • 緩和ケアの充実により、療養早期から患者さんとそのご家族の心身の安寧を図ります。

厳しい医療経営環境の中で、人材をはじめとする限られた医療資源を効率よく活用し、皆さまの信頼や期待に応えられるように職員一同努力いたす所存です。引き続きご理解とご指導をいただけますようにお願いいたします。


令和6年7月 院長 田中 洋史