内科:内分泌: 甲状腺疾患

甲状腺とは

甲状腺は、首の前下方にある通常重さ15グラムくらいの臓器です。食事(主に海藻類)のなかに含まれているヨードを取り込んで、甲状腺ホルモンを合成・貯蔵し分泌しています。

甲状腺ホルモンは、全身の物質代謝・熱量産生を亢進(こうしん)させ、骨格・生殖腺の発育を促すという働きがあります。


甲状腺の病気

内科で扱う主な甲状腺の病気は次の3つです。


甲状腺機能亢進症

甲状腺からホルモンが過剰に分泌される状態です。

主なものはバセドウ病(グレイブス病)と呼ばれ、自己免疫疾患のひとつです。

治療は、内服薬・手術・アイソトープ治療(後述)の3種類があります。


甲状腺機能低下症

甲状腺からのホルモン分泌が低下している状態です。

主に慢性甲状腺炎(橋本病)の人の一部で起こり、バセドウ病と同様自己免疫疾患のひとつです。

治療は、甲状腺ホルモン製剤の内服をおこないます。


甲状腺腫瘍(しゅよう)

良性のもの ・ 嚢胞(のうほう)・腺腫(せんしゅ)・腺腫様甲状腺腫などがあります。

時に手術やホルモン治療をすることもあります。


悪性のもの ・ 甲状腺がんです。

病理組織によりいくつかの種類に分けられ、病気の進み方や治療法も異なります。


良性悪性を鑑別するためには、血液検査やいくつかの画像検査をおこないますが、最も有用なものは


  • エコー(甲状腺に超音波をあてて内部の様子を見る)
  • 穿刺吸引細胞診(甲状腺に細い針を刺して中の細胞を吸い取り、顕微鏡などで見て調べる)

の2つです。


これらは外来でおこなうことができます。