内科: 呼吸器

特徴

新潟県立がんセンター新潟病院は、肺がんを初めとする頻度の多いがんの診療の成績にもとづいて“地域がん診療拠点病院”に指定されており、全人的な質の高いがんに関する医療を提供する体制を確保しているだけでなく、地域の医療機関との緊密な連携、肺がんの診療に関する情報提供、検診従事者の研修など、新潟県全体の肺がんに関する医療水準の向上のための様々な活動を行っています。

また、当院には“がん予防総合センター”が併設されており、検診機関などを通じて予め電話で胸部CT検査による精密検査の予約ができるようになっています。住民検診・職場健診・人間ドックを行っている検診機関と連携して肺がんの早期発見に取り組んでいることが当科の大きな特徴の一つです。

さらに、当科は厚生労働省がん研究助成金「呼吸器悪性腫瘍に対する標準的治療確立のための多施設共同研究」班の班員施設であり、また、厚生科学研究費補助金21世紀型医療開拓推進研究事業にも参加しており、全国のがん専門病院と協力して様々な臨床研究を行っています。新しい抗癌剤の治験や臨床試験に積極的に参加することは、患者さんに対してエビデンスの高い、最新の、よりよい診療を提供していくために役に立つと考えています。

また、地域の総合病院のひとつとして、肺がん以外の呼吸器疾患(気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、肺炎、慢性呼吸不全など)についても、主に外来で幅広く診療を行っています。


診療内容

肺がんをはじめ、主に胸部の腫瘍性病変の診断と内科的治療を行っています。

住民検診・職場健診や人間ドックの胸部X線検査で精密検査が必要となった方々に対して、胸部CTによる精密検査を行っています。胸部CTで病変がある場合、または病変が疑われる場合には、必要に応じて気管支鏡検査(口を通して気管支の中に気管支ファイバースコープという直径6mm程度の先端にカメラのついた内視鏡を入れて、気管支の中の様子をみたり、気管支を通して病変部から細胞や組織を採って来たりする検査。火曜日と木曜日の午前中に外来で行っています)やCTガイド下肺生検(CTで病変の位置を確認しながら、からだの外から針を刺して病変の一部を採取する検査。火曜日と木曜日の午後に一泊二日の検査入院で行っています)を行っています。

また、喀痰検査による検診で精密検査が必要となった方々には、気管支鏡検査および胸部CTなどによる精密検査を行っています。

肺がんと診断された場合には、さまざまな治療法の中から、患者さんにとって一番適切な方法を選ぶために、(1) がんの広がりの程度を調べるための検査(胸部造影CT、胸部MRI、腹部CT、腹部エコー、頭部CT、頭部MRI、骨シンチグラム、骨髄穿刺など)や、(2) 種々の内臓の機能を調べるための検査(心電図、呼吸機能検査、腎臓機能検査など)を必要に応じて行います。

治療面では、患者さんの病状に応じて、複数の呼吸器内科医、および必要に応じて呼吸器外科医、放射線科医、病理医と協議のうえで、もっとも最適と思われる治療法を提案しています。治療の方法としては手術療法、放射線療法、抗がん剤による薬物療法、あるいはこれらの治療を併用する方法があります。治療法を選択する場合には、いくつかの選択肢を提示した上で、その利点、問題点、リスクなどについて説明を行い、患者さんと十分に話し合って決めるようにしています。

内科では主に抗がん剤による薬物療法を行っています。肺がんに有効な抗がん剤は近年、数多く開発されつつあります。患者さんの病状・年齢・各内臓の機能・全身の状態などを考慮したうえで、もっとも適切な抗がん剤を選択しています。実施にあたっては、安全に、苦痛が少なく、そしてより効果的に治療が行えるように配慮しています。また、がんを攻撃する治療のほかに、がんによる咳・息切れ・痛みなどのさまざまな症状を和らげるための緩和治療も治療開始時から並行して行っていきます。がんによる症状をがまんすることは体力の消耗につながり、がんと闘っていくための気力を損なうことにもつながります。全ての症状を解決することはむずかしい場合もありますが、できる限り、こういった症状が軽くなるよう最大限の努力を行っています。

肺がんは手術で完全に切除することが難しい場合には治すのが困難な病気です。しかしながら、肺がんを体内にもっていたとしても、肺がんをできる限り長いあいだコントロールし、患者さんが肺がんによるさまざまな症状に悩まされず、自分らしい時間をできるだけ長く過ごすことができることをめざして治療を行っています。


診療実績

気管支鏡検査:週2回、主に外来で実施。年間約600例。

CTガイド下肺生検:週2回、1泊2日で実施。年間約100例程度。

入院患者における年間新規肺がん登録数:450〜500例(手術例を含む)。

年間の内科入院新患数:約150例。


外来

外来では主に、診断および治療がいったん終了した後の経過観察を行っています。患者さんの希望や事情に応じて、外来で抗がん剤による薬物療法を行うこともあります。また、通院がむずかしい場合には、当院外来の訪問看護師や、患者さんの自宅に近い地域の病院やかかりつけの医師と連携のうえで在宅治療を行うお手伝いもしています。原則として、毎日、呼吸器内科の医師が外来にでて、紹介状をもって来院された方の診察にあたっています。再来の診察は原則として月、水、金曜日のみです。


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内科外来 看護部門

在宅酸素療法相談や指導を行っています。


病棟

呼吸器内科の病棟は、西6階病棟(35〜40床)と、西2階化学療法病棟の一部(10床前後)です。抗がん剤による薬物療法や放射線療法、がんによる症状に対する症状緩和治療などを行っています。医師、看護師、病棟薬剤師がチームとなり、ひとりひとりの患者さんが適切な治療を、より安全に、より効果的に行っていけるようにこころがけています。また、自宅での生活や仕事と治療の両立にも配慮した短期入院による化学療法も、地域の医療機関との連携をとりながら行っています。


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