内科: 消化器

特徴 | 入院症例数 | 内視鏡検査の年間件数 | その他の内視鏡的治療 | 食道がんの治療 | 胃がんの治療 | 胃疾患 | 胃悪性リンパ腫 | 大腸疾患 | 膵・胆道疾患 | 肝疾患 | 緩和医療 | がん予防総合センター | がん診療施設情報ネットワークシステムおよびIT化 | 医療設備 | 外来診療 | スタッフ | 特別研修医の募集

特徴

消化器内科は、加藤部長以下5名が上部消化管、下部消化管、肝・膵・胆道疾患の診療と研究、教育に精力的な活躍を行っています。日常診療に追われながらも、研究と後輩への教育に労力を惜しまないのが、当科の基本です。

  1. 内視鏡業務は、中央内視鏡室と予防センター内視鏡室で毎日数多くの内視鏡検査を行っています。1960年開院時の胃カメラの時代から消化器内視鏡の開発と技術の向上に先駆的役割を果たし、早期胃癌の内視鏡診断を確立し、1970年には内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)を報告、その後も膵胆道内視鏡や小腸鏡など消化器内視鏡の開発に携わってきました。精度の高いがんの早期発見とともに内視鏡的治療に早くから積極的に取り組み、内視鏡的減黄術や止血術、静脈瘤硬化療法および結紮術、ステント挿入など内視鏡的治療法にも優れた技術を持っています。がん拠点病院の性格から消化器癌に対する化学療法にも意欲的に取り組み、動脈内注入や局所焼灼療法などの先進医療とともに各種制癌剤を用い治療を行い、最近は外来化学療法も増加しています。なお悪性疾患だけでなく消化性潰瘍などの消化管疾患、膵疾患、慢性肝疾患への治療も幅広く行っています。
  2. 研究としてがんの疫学調査やがん検診も行い、対がん10ヵ年戦略としての胆道癌の研究が評価されています。また消化性潰瘍の研究で優れた多くの業績があり、消化性潰瘍の累積再発率、潰瘍と胃癌との関連性などからヘリコバクター・ピロリ菌感染と潰瘍や萎縮性胃炎からの発がんの問題も早くから取り組んでいます。
  3. 教育に関しては、研修医の卒後指導、消化器専門医に対する専門教育、また内視鏡技師看護師に対するパラメディカル教育も行っています。原 義雄博士、小越和栄博士など歴代の部長の指導のもとに多数のすぐれた消化器専門医が育ち、国内外の指導者として活躍されています。学会においても教育指導的役割を担っており、1993年には第45回日本消化器内視鏡学会総会を担当し、2002年に消化器内視鏡重点セミナー、2005年には4度目の消化器内視鏡学会甲信越地方会を担当しました。
  4. 各学会の指導医・専門医が検査と指導にあたっており、日本消化器病学会専門医制度認定施設(2002-)、日本消化器内視鏡学会専門医制度指導施設(2002-)、日本大腸肛門病学会専門医制度認定施設(2002-)として各学会より認定されています。

入院症例数

当院内科の2007年の入院患者2、876名のうち2,342名81.4%が悪性疾患でした。消化器内科の担当した入院患者のべ数は988例にのぼり、その内訳は食道癌231例、胃癌 250例、小腸癌7例、大腸癌196例、肝癌62例、胆道癌16例、膵癌 48例など悪性疾患が834例84.4%と多くを占めております。早期がんに対する粘膜下切開剥離術に加えて、食道癌に対する術前化学療法、進行した食道癌・胃癌・膵臓癌などに対する全身化学療法が増加し、肝臓癌に対する局所療法や動注・定位照射などの内科的治療が施行されています。内視鏡治療のための消化管の良性腫瘍30例や慢性肝疾患を主とする良性疾患も154例と多く、良性疾患も対象として広く診療に当たっています。

内視鏡検査の年間件数

内視鏡の年間件数 (2009年) は上部消化管内視鏡6,400例、大腸内視鏡3,020例、ERCP(内視鏡的膵・胆管造影)43例、超音波内視鏡92例です。各早期癌をより早く診断し積極的に内視鏡的治療を行って根治を図っており、その数は年々増加しています。内視鏡切除数に比し、切除後に消化管穿孔、出血などにして緊急手術となった症例が少ないのも当院の特徴です。

その他の内視鏡的治療

その他の内視鏡治療として年間では食道静脈瘤硬化療法および結紮術2例、食道狭窄部拡張術70例、上部消化管(食道、胃) 248例と大腸757例の内視鏡切除(粘膜切除術、粘膜下層剥離術、ポリペクトミーなど)、上部消化管止血術20例、内視鏡的減黄術15例などです。

食道がんの治療

食道がんの治療は、病期やがんの進展度に応じて治療方法を検討する必要がありますが、当科では外科や放射線科と共同した集学的な治療を行っています。外科切除可能な病期II/IIIの食道がんでは、手術前に化学療法を行うことが標準的な治療と考えられており、当科で術前の化学療法を行った後、外科手術を行っています。また外科切除不能あるいは手術を希望されない方には、根治や症状緩和を目的とした化学放射線療法を積極的に行っています。一定の条件を満たす早期食道がんは内視鏡切除により根治可能であり、病変を一括切除可能な内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)による治療を行っています。

胃がんの治療

当科では、内視鏡的切除により根治が期待できる早期胃がんに対して、病変の一括切除を可能にした内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)による積極的な内視鏡切除を行っています。また外科切除が不能、あるいは再発・転移をきたした進行胃がんに対しては、抗癌剤を用いた全身化学療法を行っています。最新の臨床試験結果をもとに、患者さま個々の病態に応じた治療法の選択を行っています。

胃疾患

消化性潰瘍では40年間7,000人の患者登録による長期観察や胃酸分泌の研究から難治性潰瘍の病態解明に努め、内科的治療に優れた成績を挙げています。胃潰瘍の8週後の治癒率は97%です。難治性や再発性に深く関与しているヘリコバクター・ピロリ菌の研究にも早くから取り組み、フェノールレッド色素内視鏡や呼気試験などの診断法をはじめ除菌療法に豊富な知識と経験を持っています。潰瘍患者さんにおけるピロリ菌の除菌率は3剤(PPI+AMPC+CAM)1週間で93%、2剤(PPI+AMPC)4週間で87%でしたが、近年はCAM耐性などによって3剤による1次除菌率が82%まで低下してきたため、2次除菌法としてPPI+AMPC+MNZの3剤による再除菌を勧めた結果、95%の除菌に成功しています。なお血清中のペプシノゲンI/IIの研究からI/II比が萎縮性胃炎の指標としての有用性を明らかにし、胃液中のビタミンC濃度ともに胃癌高危険群の設定に利用しています。消化性潰瘍をはじめ高度胃炎などの方々にも除菌をすすめています。早期胃癌が内視鏡的粘膜下切開剥離術(ESD)で治癒する例が増えていますが、その後の異時性多発癌を抑制する長期効果がピロリ菌の除菌療法に証明されたことから、術後も積極的に除菌をお勧めしています。境界病変といわれる胃腺腫に対しても一部癌化がみられることから積極的に内視鏡的切除術を行う方針をとっています。術後残胃の内視鏡検査も定期的に行っており、吻合部潰瘍や残胃炎などの術後合併症、残胃癌についても研究を重ねています。

胃悪性リンパ腫

胃悪性リンパ腫は従来胃全摘出術が行われてきましたが、当院では非手術を前提に出血や穿孔でなければ胃切除しない方針を確立し、日本胃癌学会のガイドラインとしても認められています。ピロリ菌感染と関連している低悪性度のマルト・リンパ腫においては、ピロリ菌の除菌療法だけで92%の高い寛解率をあげ、最長16年にわたり再発を全く認めていません。残念ながら除菌成功後も遺残する抵抗例では、放射線療法やリツキサン抗体療法などの内科的治療法を患者さんとご相談しながら選択し完全寛解をめざしています。 高悪性度の非ホジキンリンパ腫に対する内科的治療も胃穿孔などに注意しながら積極的に導入し、R-CHOP療法などの全身化学療法により高い寛解率を上げています。

大腸疾患

大腸内視鏡の検査件数やがんや良性の腺腫などの内視鏡切除数は全国有数です。1から2cm程度のポリープは外来にて切除を行いますが、それ以上の大きさの病変や切除後に安静が必要と判断される症例は短期入院にて内視鏡切除を行っており、最近は3cm程度の大きな病変に対しても積極的に内視鏡切除を行っています。2009年の大腸腫瘍内視鏡切除数は757件、うち早期がんは181例と多くの病変を内視鏡切除し、最近は一部の症例に対して粘膜下層剥離術を導入しています。内視鏡切除後の出血や穿孔などが原因で緊急手術となった症例は切除数に比し少なく、治療の安全性に充分に注意を払っています。早期の大腸がんを積極的に内視鏡切除している一方、肺、肝臓やリンパ節に転移を有する術後再発例やすでに転移を有し、大腸の原発巣のみ切除に終わった症例などに対しては、全身化学療法を行っています。大腸がんの化学療法の進歩は目覚しく、分子標的薬や新規抗がん剤を組み合わせた最新の全身化学療法を行っています。これら悪性疾患のみでなく、近年増加傾向の潰瘍性大腸炎やクローン病といった特発性炎症性腸疾患の患者さんも多く、難治性のこれらの疾患の治療にも積極的に取り組んでいます。

膵・胆道がん

膵臓がんは進行した状態で見つかることが多いがんですが、腹部超音波検査、CT、MRI、内視鏡的逆行性膵胆管造影検査(ERCP)を駆使し早期発見に努めています。手術適応のない膵臓がんに 対しては、積極的に全身化学療法(ジェムザールの点滴治療、TS-1の内服治療、両者の併用療法)を施行しています。これらの薬剤を使用することにより、腫瘍縮小効果が得られる症例も多くなり、以前より化学療法の治療成績は向上してきています。

胆道がんも見つけにくいがんの1つですが、前述の検査を駆使し早めの診断を心がけています。手術適応のない場合、膵がんと同様にジェムザールの点滴やTS-1の内服による全身化学療法を積極的に行っています。

膵臓がんも胆道がんも症状が落ち着いていれば、外来通院で化学療法を継続することが可能です。

これらのがんは黄疸をきたすことがあり、経皮経肝胆道ドレナージ術(PTCD)や内視鏡的経鼻胆道ドレナージ術(ENBD)、内視鏡的逆行性胆道ドレナージ術(ERBD)で減黄を図っています。膵臓がんは痛みを伴いやすいがんですので、麻薬の使用や緩和ケア科との連携により積極的に疼痛の緩和に努めています。

肝疾患

肝臓は『沈黙の臓器』といわれるように、障害が起きてもなかなか症状が現れにくい臓器です。そのため自覚症状が少なく、肝臓病がいつのまにか進行していることもあります。B型やC型のウイルス性慢性肝炎に対するインターフェロン療法や肝硬変の治療など慢性肝疾患をはじめ、特殊な原発性胆汁性肝硬変や自己免疫性肝炎の治療例も多く、血漿交換などを駆使した劇症肝炎の救命率も80%と良好な成績です。慢性肝炎は、21世紀の国民病ともいわれ、その約70%はC型肝炎、約20%がB型肝炎によるもので、その他、自己免疫性肝炎などがあります。これを放置しておくと慢性肝炎、肝硬変、さらには肝がんへと進行していきます。B型およびC型慢性肝炎の治療には抗ウイルス薬を用い、ウイルスを体内から排除して完全治癒を目指す原因治療と、肝庇護剤で肝機能を改善し、肝炎の悪化を防ぐ対症療法があります。抗ウイルス薬としてB型肝炎にはインターフェロン、さらに毎日1錠の経口剤エンテカビルによる内服治療は容易で優れた効果を挙げています。C型慢性肝炎に対する治療としては、抗ウイルス剤レベトールを併用しながらペグインターフェロンの週1回皮下注を24-48週間続けています。それ以外にも肝炎ガイドラインに従って肝炎の進行を抑え肝癌の発生を抑えるためにお勧めしています。

残念ながら肝癌が発生し診断された場合には、まず肝切除ができないかを外科と検討します。2cm以下の小さい腫瘍の場合には、超音波下に穿刺治療する局所治療として、エタノール局注注入療法(PEIT)、マイクロ波凝固術(PMCT)、ラジオ波焼灼術(RFA)などの内科的治療を積極的に行っています。さらに2005年からは高度のコンピュータ技術を利用して、がん病巣のみを選択的に治療できる全身用定位放射線治療システム "ノバリス" が導入され、局所治療の適応症例が増加しています。肝切除や局所治療できない症例では、血管造影を用いた肝動脈内注入療法や肝動脈塞栓術、リザーバー埋め込み持続動注療法を原発性肝癌のほか転移性肝癌に対しても行っています。

緩和医療

がんの進行による痛みや食欲低下など、患者様の苦痛となる症状を和らげることを目的とした緩和医療にも積極的に取り組んでいます。緩和ケア科などとも連携を取りながら、患者様の病態に応じたきめ細やかな緩和医療を行っています。

がん予防総合センター

県がん対策の一環として開設され、精密検査を主としたがん2次検診、がんドック、病理細胞診検査、がん1次予防のPR、検診従事者の研修、地域がん登録などを行っています。2次検診は、外来から独立し受診3日前までに予約すれば、来院するとすぐ胃内視鏡や肺CT、乳癌検診による精度の高い2次検診が受けられ、1日で診察・検査が終了するため年間3,000人が受診しています。子宮癌検診は直接外来で受けられるなど、この地域における2次検診の中心となっています。またがんドックは、通常のドックとは別に主要ながん検診を重点として開設しています。Aコース:(胃・大腸内視鏡、胸部CT、乳癌・子宮癌検査)、Bコース:(胃・大腸・肺)、Cコース:(乳癌・子宮癌)の3コースが設定されています。

がん診療施設情報ネットワークシステムおよびIT化

全国のがん専門施設間に情報ネットワークが整備され、遠隔地の専門家と直接意見交換ができるようになりました。毎週の多地点テレビカンファレンスは医師、看護師、技師を対象として幅広いテーマで行われ、院外からの参加も可能となっています。医療のオーダリング化、電子カルテシステムなどIT化にあわせ内視鏡画像をデジタル・ファイリング化したことにより、内視鏡検査終了後や外来・病棟などで内視鏡画像をモニター上に呼び出し、患者様に説明が可能となりました。またIT化に伴い電子化された患者様の個人情報に関してはその保護には細心の注意が払われています。

医療設備

内視鏡ビデオ情報システム、デジタルファイリングシステム、超音波内視鏡、拡大上部・下部内視鏡、膵胆道内視鏡、内視鏡用ヒータープローブ、内視鏡用半導体レーザー、アルゴンレーザー、内視鏡切除用高周波装置、ヘリカルCT、医用画情報ネットワークシステム、がん診療施設情報ネットワークシステムなど。

外来診療

月~金の午前。上部消化管内視鏡検査は毎日午前に、大腸内視鏡検査は毎日午後と月木の午前に施行しています。

「外来医師一覧」のページへ

スタッフ

加藤 俊幸 船越 和博 本山 展隆
佐々木 俊哉 栗田 聡  

特別研修医の募集

当院消化器内科ではジュニア研修が終了した卒後2年以上のキャリアを有し、将来消化器内科を志す若手医師を募集しています。極めて豊富な症例数を有しており、上記スタッフが懇切丁寧に指導いたします。ご希望の先生は E-mail にて病院あて加藤までご連絡願います。

「診療科のご紹介」へ戻る | このページの先頭

診療のご案内