病理部

特徴 | 病理診断てなに? | 剖検も病理の業務 | 小説で病理が判る | 病理業務実績(2007年) | 関係サイト | スタッフ

 特徴

病理部は病院の機構上は研究部の一部門ですが、病院の「診療部門」の一つでもあります。

外科や内科の医師は診断や治療のため、内視鏡検査や手術で患者さんの組織や臓器を摘出することがあります。また、喀痰や尿の細胞を検査したり、気管支鏡で気管支の細胞を採取して検査することもあります。この採取された患者さんの組織や臓器、細胞から顕微鏡標本を作成し、患者さんの病気を診断するのが病理部です。

病理医は、患者さんに直接接して治療を行ったりすることはなく、患者さんの組織の病理診断を専門的に行う医師です。また、喀痰や尿などから細胞診標本を作り、まず細胞診検査士がこれを顕微鏡検査し、次いで病理医・細胞診指導医と一緒に検討して細胞学的な診断も行っています。すなわち病理部は当院の機構上は研究部の一部なのですが、実際的には病院が患者さんを正しく診療できるよう、「診」の領域に特化した部門なのです。

 病理診断てなに?

顕微鏡

患者さんを治療するためには、患者さんの病気を正しく診断することが前提です。この為に主治医は、血液検査、生化学検査、細菌学的検査、レントゲン検査などのいろんな検査を患者さんにお願いします。その中に生検などによって得られた患者さんの組織・細胞を、顕微鏡(写真)で観察して病気を診断する病理検査があります。つまり、組織・細胞の形から病気を判断するのが病理診断です。病理医・細胞検査士は病理細胞診断のスペシャリストです。

細胞や組織の形からの診断と言うといかにもいいかげんと思うかもしれませんね。しかし例えばある人を見て、私達はその人が黄色人種か白人か黒人か、もし黄色人種ならば日本人か否かおよそ見当がつきます。性別に関してはほぼ100%間違わずに判断できるでしょう。これは、体格、肌や髪の色、目の色、髪の長さ、肌の色やきめ、胸の膨らみ、さらには服装など、その人のあらゆる形態的特徴を観察し、自分のこれまでの経験と照らし合わせて判断しているからです。この例と同じように、顕微鏡によって詳しく観察すれば、その組織・細胞の性格は十分判断出来ます。これには経験が必要ですが、熟練した病理医・細胞検査士が鏡検すれば、悪性か良性か、癌か否かは、100%とは言えないまでも95%から99%は判断可能です。しかしなかには判断の難しい症例もあります。この場合は通常の染色法に加えて、免疫組織化学染色、in situ hybridization、電子顕微鏡検索などの検索も追加し、正しい診断に至るべく努力しています。

主治医は、生検材料などの病理診断を基に、更にその他の検査所見を加えて総合的に診断を下し、患者さんの治療法を決定することが非常に多くあるのです。

手術的に摘出された臓器なども病理部で検査されます。術前の臨床診断を病理形態的に再確認することと共に、悪いところが完全に取られており、取り残しがないかどうか、リンパ節に転移がないかどうか、なども病理部で調べます。手術材料の病理診断が出て、初めてその後の治療計画が策定可能になるといっても過言でありません。

顕微鏡2

また手術中に、切除断端部の癌の有無や、リンパ節転移の有無などを、凍結標本を作ることによって迅速に診断し、手術場へ報告することもあります。この病理部の迅速診断によって、執刀医は安心して手術を進めることができるのです。迅速診断の結果によって、患者さんにとって最も良い手術手技の決定されることもあります。

このように病理部は患者さんの診断・治療と密接に関わっています。

病理医は臨床医であり、患者さんにとってはもう一人の見えざる主治医なのです。

 剖検も病理の業務

また、治療の効なく不幸にして患者さんが亡くなられた場合に、主治医が剖検の許可をお願いすることがあります。剖検も病理の大切な仕事です。剖検とは、「どうしてこういう症状がでたのか?」とか、「どうして患者さんは亡くならねばならなかったのか?」とか、「治療効果は十分あったのか、治療法は正しかったのか?」などの疑問に対して、病理形態学的解析によって回答することです。どんなに画像診断や特殊な診断技術が向上しても、実際に身体を隅々まで調べることは出来ません。剖検によって初めて確かめられる事実はまだまだ多くあります。もちろん剖検したからといって亡くなられた患者さんは戻らないのですが、これによって知らしめられた事実が主治医の貴重な経験となって、よりよい医療に結び着きます。つまり、剖検はその病院の医療の質を保証する大変重要な業務なのです。

 小説で病理が判る

アーサー・ヘイリー著「最後の診断」(新潮文庫)は、アメリカのある総合病院の病理部門のお話です。これを読めば病理部門が病院の中で如何に有機的に機能しており、実際の患者診療に関っているかをうかがい知ることが出来ます。

 病理業務実績(2009年)

1. 組織診

  生検 手術 迅速 総数 2008年総件数
頭頚部 109 88 34 231 227
甲状腺 5 55 2 62 67
気管支・肺・縦隔 76 293 81 450 373
上部消化管 3,088 467 23 3,578 3,498
下部消化管 2,073 841 3 2,917 2,880
肝臓・胆道系・膵臓 55 243 75 373 268
腎臓・副腎・膀胱 45 338 26 409 403
前立腺・精巣 222 298 6 526 489
子宮・卵巣 734 672 67 1,473 1,351
骨髄・脾臓 750 14 0 764 819
皮膚 148 645 3 796 760
乳腺 893 423 5 1,321 1,447
リンパ節 132 1,244 56 1,432 1,117
乳腺センチネルリンパ節
(OSNA法)
    146
(94)
146
(94)
113
骨軟部 22 263 28 313 185
その他 14 44 34 92 40
合計 8,366 5,928 589 14,883 14,037

※ 延べ件数で計上


2. 細胞診

  件数  迅速 総数 2008件数
頭~頚部 42 2 44 32
甲状腺 293   293 328
唾液腺 24   24 21
気管支・肺 701 155 856 773
喀痰 498   498 524
子宮頸膣部 5,108   5,108 4,915
子宮体部 836   836 802
その他婦人科 961   961 928
肝・胆・膵 39 2 41 30
骨髄 13   13 13
乳腺 535   535 772
リンパ節 142   142 103
心嚢液 5   5 14
脊髄液 437   437 432
胸水(洗浄液含) 173 105 278 272
腹水(洗浄液含) 417 547 964 986
尿 1,650   1,650 1,620
腫瘍 75 6 81 42
その他 12 1 13 8
合計 11,961 818 12,779 12,615

※ 延べ件数で計上


3. 剖検 14


 関係サイト

 スタッフ

当院の病理部門には、専任の医師3名(3名は日本病理学会認定病理専門医、うち1名は細胞診専門医)と、臨床検査技師11名(うち細胞検査士9名)が所属し、新潟県内では最も充実したスタッフを有しています。

[ 病理医 ]

根本 啓一 本間 慶一 川崎 隆

「診療科のご紹介」へ戻る | このページの先頭

診療のご案内