消化器外科レジデントコース
はじめに | 目的 | 特徴 | コース概要 | 研修目標 |
はじめに
日本人の死亡原因の第一位は悪性腫瘍であり、その中でも消化器がんの罹患率と死亡率は高く、極めて重要な疾患である。日本におけるがんの罹患数(2001年)において、胃がんは男性の1位、女性の2位、結腸がんは男性の3位、女性の3位であり、また、死亡数(2005年)では、胃がんは男性の2位、女性の1位、結腸がんは男性の4位、女性の3位である。また、新潟県のがん罹患の特徴としては消化器がんの罹患率が高く、特に胃がんが男女ともに1位(2005年)を占めている。このように消化器がんの診断、治療、さらには緩和医療を含めた総合的がん診療の確立が重要課題である。
消化器がんの患者数は今後増加するものと予想され、人口の高齢化と共に生活習慣病を合併した症例が決して稀でなく、高度な知識と経験が要求される。この知識と経験を得るためには、多くの消化器がん患者に接することが不可欠である。その治療経験を礎として、確固とした知識と技術を身につけ、更に治療成績の向上に向けて努力を続けていく必要がある。
目的
「一人ひとりを大切にする医療を目指して」を基本目標に、がんの診断治療、教育研修、臨床研究などに重点を置く。当院はがん治療を専門とする臨床病院であり、信越地区の「地方がんセンター」として位置づけられている。消化器外科は食道外科、胃外科、肝胆膵外科、大腸外科の4つに分かれ、それぞれのがんに対して専門性の高い研修ができる。消化器がんの治療を通して、外科医にとって必要な知識および技術を修得する。
次の5項目を目的として、日本外科学会の外科専門医取得を目指す。
- 1)各種の診断法を理解し、治療方針が決定できるようになる。
- 2)基本的な手術手技を身につけ、標準手術を修得する。
- 3)術前・術後管理を身につけ、合併症に対しても迅速かつ適切に対応できるようにする。
- 4)抗がん剤に対する正しい知識を身につけ、適切に処方し、有害事象にも迅速に対応できる。
- 5)コミニュケーションスキルを身につけ、緩和ケアについての理解も深める。
日本外科学会専門医取得に必要となる心臓血管外科および小児外科は新潟大学医歯学総合病院と連携して研修を行う。また、全国学会での学会発表や論文発表を通じて、がんに対する正確な知識を習得する。
| *当院の手術件数 | 2006年 | 2007年 | 2008年 |
|---|---|---|---|
| 食道癌 | 33 | 37 | 36 |
| 胃癌 | 338 | 312 | 352 |
| 大腸癌 | 197 | 194 | 250 |
| 肝胆膵腫瘍 | 102 | 113 | 190 |
個別的研修目標
病理解剖について研修
- 死体解剖保存法などの基本的な法知識を理解
- 自ら病理解剖を執刀し、病理解剖の手順、肉眼像のみかた、病変部の切り出し、組織のみかた、症例のまめ、解剖報告書の作成
- CPCに参加、症例を提示(月一回開催)
特徴
- 当院は臨床を重視するがん専門病院であるとともに、日本外科学会の修練指定施設であり、本プログラムにて外科専門医を取得することができる。
- 日本消化器外科学会の認定施設であり、消化器外科専門医制度にも対応する。
コース概要
本プログラムは、3年の後期研修プログラムである。
1.コースモデル
| 1年目 | 大腸外科(6ヶ月) | 胃外科(6ヶ月) |
|---|---|---|
| 2年目 | 心血管外科、小児外科、呼吸器外 科新潟大学医歯学総合病院(6ヶ月) |
肝胆膵外科(6ヶ月) |
| 3年目 | 食道・胃外科(6ヶ月) * 外科専門医予備試験(筆記試験)を受験 |
希望(6ヶ月) |
*3年終了後外科専門医認定試験(面接試験)を受験する。
*亀田総合病院(千葉県)へ1週間見学可能、詳細は協議して決定します。
消化器外科スタッフの紹介
胃外科: 梨本篤(臨床部長)、藪崎裕(部長)
食道外科: 中川悟(部長)
大腸外科: 瀧井康公(部長)、丸山聡(部長)
肝・胆・膵外科: 土屋嘉昭(部長)、野村達也(部長)
2.後期臨床研修終了後
後期臨床研修終了後の選択としては、
- 1)大学各分野の医局に入局し臨床研修を継続する。
- 2)当院を含めた県立病院にて臨床研修を継続する(特別研修医制度がある)。 などが想定される。
(主な学会:各自の希望により適宜入会する)
日本外科学会(必須)、日本消化器外科学会(必須)、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本食道学会、日本胃癌学会、日本大腸肛門病学会、日本肝胆膵外科学会、日本肝臓学会、日本胆道学会、日本膵臓学会、日本外科感染症学会、など。
(取得可能な専門医)
外科専門医(必須:本プログラム後に取得可能)、消化器外科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、がん治療認定医、など。
研修目標
(総論)
- 看護師・上級医と一体になったチーム医療を実践できる。
- 消化器がん患者の術前検査のプランの作成、リスク評価、術後管理、要約記載ができる。
- 患者・家族に適切な説明ができる。
- 上級医の指導のもと、抗がん剤を適切に処方し、有害事象に適切に対応できる。
- 緩和ケアに対する正確な知識を身につけ、がん性疼痛に適切に対応できる。
(手技・検査)
- 中心静脈カテーテルを挿入でき、挿入に伴う偶発症に対処できる。
- 緊急の気管内挿管ができ、人工呼吸器管理を行える。
- ドレーンの状態を把握し管理できる。
- 上級医の指導のもと内視鏡検査、腹部超音波検査ができる
- 腹壁・皮膚の縫合および抜糸・ドレーン抜去ができる。
(手術)
1. 以下の手術を指導医のもとで術者として適切に遂行できる。
食道外科
気管切開術、開胸術、胃管作成術、胃瘻・腸瘻増設術
胃外科
胃局所切除術、幽門側胃切除術、、噴門側胃切除術、胃全摘術
肝胆膵外科
肝部分切除術、胆嚢摘出術、胆道再建術、膵体尾部切除術
大腸外科
右半結腸切除術、左半結腸切除術、前方切除術、直腸切断術
2. 鏡視下手術の基本技術を身につけ、第1または第2助手として適切に介助ができる。
(臨床研究)
- 文献検索ができる。
- 臨床研究を実施し、学会等で発表できる(含:海外学会での発表)。
- 論文作成







