泌尿器科レジデントコース

目的 | 研修の方法 | 研修目標 | 研修指導体制 | 具体的な研修方法 | 各目標に対する年次毎の具体的到達目標 |

 目的

泌尿器科学を専攻するにあたり、医師としての常識的な研鑽をまず行います。 最終的に泌尿器科専門医取得を研修の目的とします。

 研修の方法

卒後臨床研修(初期臨床研修)2年を終了した医師がさらに泌尿器科専門研修を3-4年間行います。

尿路性器腫瘍(腎癌、腎盂・尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣癌、陰茎癌など)の診断治療において、多くの症例を経験し、診断方法、治療体系を学ぶとともに、手術手技・化学療法・放射線治療などの治療法について個々に体得する。また、緩和医療を含むターミナルケアの経験などを積み、広く臨床腫瘍学一般を身につけることを目標とします。

当院では1年間に、前立腺の生検を含みますが約1,000件の手術(診療科のご案内:泌尿器科)を施行しておりますので、後期研修に最も重要な、多くの症例に遭遇することは間違いありません。

必要に応じて当院以外の施設での勉強を行うことも可能です。新潟市内には腎移植、前立腺のレーザー手術・尿路結石の内視鏡手術、救急処置・小児泌尿器科、結石の治療の専門分野に秀でた病院があり、病院間の連携は密であり、泌尿器科全領域の研修も可能です。

 研修目標

  • 泌尿器科診療における診断の基本的知識と手技の習得
  • 泌尿器科診療における治療方針の決定
  • 泌尿器科領域における手術手技や術前・術後管理の習得、合併症対策
  • 臨床試験の理解と実施
  • 尿路性器腫瘍に対する化学療法の計画と実施、合併症対策
  • 尿路性器腫瘍に対する病理診断の基礎知識の習得
  • 尿路性器腫瘍に対する放射線治療の計画と実施、合併症対策
  • 癌患者の疼痛管理を含む緩和医療の実施
  • 医療スタッフとの良好な人間関係の形成とチーム医療に対する理解
  • 患者およびその家族との良好な人間関係の形成
  • 学会発表や論文執筆

 研修指導体制

  1. 研修指導者(◎ 責任者)
    • 北村康男◎ 
      • 日本泌尿器科学会専門医、日本泌尿器科学会指導医、日本癌治療機構暫定教育医
    • 斎藤俊弘  
      • 日本泌尿器科学会専門医、日本泌尿器科学会指導医、日本がん治療認定医
    • 小林和博  
      • 日本泌尿器科学会専門医、日本泌尿器科学会指導医
  2. 原則として、スタッフの主治医とともに副主治医として、常時10名前後の患者を受け持ち、その診療を通して研修目標を達成する。
  3. 入院患者の診察、検査、治療に関する直接的指導は主治医が行う。
  4. 定期的に研修目標達成の進歩具合を点検する。
    • 必ず1日1回は指導医と連絡を取る。この時に、その日の研修内容(結果)を チェックする。
    • 個々のレジデントの目標達成度を半年毎にチェックし、個々の欠点や弱点を補うために適宜受け持ち患者や研修、スケジュールを調整する。

 具体的な研修方法

1. 外来研修

  • 検査
    • 超音波下経直腸前立腺針生検、膀胱ファイバー検査、超音波検査の手技に習熟する。
  • 外来患者の診療
    • 外来担当医のもとで、初診の問診を行い、必要な検査をオーダーし、共に診察にあたる。
  • 外来化学療法
    • 処置室にて、膀胱内注入療法などの注入療法、全身化学療法を 行う。
  • 担当医の指導のもとで、留置カテーテルの挿入・交換(腎瘻、ダブルJカテーテル)を行う。

2.病棟研修

  • 入院受け持ち患者の診療:毎日
  • 診療業務日誌(カルテ)の記載:毎日
  • 検査:術前の抗生剤反応、血液ガス分析など

3.カンファレンスでの受け持ち患者の症例提示(指導医および主治医)

  • 毎週火曜日午後2時

4.手術研修(指導医と共に)

  • 月、水、木、金曜日の手術(10時開始)には、指導医のもとで積極的に参加する。

 各目標に対する年次毎の具体的到達目標

【1年次】

(診断)

  • 尿路性器腫瘍における画像診断(超音波、MRI、CT、造影X-P、シンチなど)の基礎知識を理解する。
  • 尿路性器腫瘍における画像診断の基礎知識を理解する。
  • 内視鏡検査(膀胱ファイバー、尿管鏡など)の手技を理解する。

(手術)

  • 超音波下前立腺針生検術の基本的手技の習得と合併症の対策を体得する。
  • 骨盤内を含めた後腹膜領域の解剖を理解する。
  • 助手として、尿路性器腫瘍の開腹手術に参加し、術者としての手技を理解する。
  • 指導医のもとで、術者として経尿道内視鏡手術の手技を理解し体得する。
  • 術前、術後の管理ができる。周術期管理ができる。カンファレンスで症例提示が行える。

(薬物療法)

  • 各患者の状態を把握し適切な薬剤を選択し、薬物療法の基礎知識を習得する。
  • 全身化学療法の治療計画を理解する。
  • 腎癌に対する免疫治療、分子標的治療の治療計画を理解する。
  • 薬物療法に関する基本的な副作用の対策を理解する。

(放射線療法)

  • 局所前立腺癌に対する放射線治療の適応と実際を理解する。
  • 限局性前立腺癌に対するヨウ素125密封小線源永久挿入療法の適応と実際を理解する。
  • 前立腺全摘術後の局所再発に対する放射線治療の適応と実際を理解する。
  • 放射線治療の開始時期や副作用を理解する。

(外来)

  • 患者さんと家族との接し方を学びます。男性患者さんおよび女性患者さんの接し方を学びます。
  • 膀胱尿道鏡の操作に習熟
  • 排尿障害の患者さんの診断と治療
  • 画像診断で癌の診断方法
  • 癌の進行度および治療方法が適確に判断できるようになります。
  • がん患者さんの術後の経過観察ができます。
  • 外来抗がん剤治療を学びます。
  • 新患の病歴・理学所見の聴取が行える。尿路のX線検査・超音波検査・膀胱尿道の内視鏡検査を行う。検査結果を正確に把握し、患者さんに十分な説明ができる。

(臨床研究)

  • 学会等に積極的に参加する。貴重な症例については学会報告を行い、論文発表する。

【2年次】

(診断)

  • 画像診断の限界と問題点、および各種画像所見による鑑別診断を理解する。
  • 内視鏡検査の(膀胱ファイバー、尿管鏡など)手技と読影に習熟する。
  • 経直腸超音波下前立腺検査の画像所見を理解する。

(手術)

  • 手術適応を決定し、術前計画を実施する。
  • 指導医のもとで、術者として尿路性器腫瘍の開腹手術の手技を体得することを目標とする。
  • 手術前の家族への的確なICが行える。

(薬物)

  • 全身化学療法の治療計画を立案する。
  • 腎癌に対する免疫治療、分子標的治療の治療計画を立案する。
  • 予測される有害事象に対して適切な対策がたてられる。
  • インフォームドコンセントの説明に対して同席する。

(放射線治療)

  • 進行性尿路上皮癌(膀胱癌、腎盂尿管癌)やその再発に対する化学放射線治療の適応と実際を理解する。
  • 進行性尿路上皮癌(膀胱癌、腎盂尿管癌)やその再発に対するに対する放射線治療の管理ができる。
  • 前立腺癌の再発に対する放射線治療の役割と適応を理解する。

(外来)

  • 再来の患者さんを一人で外来診療ができるようになります。

(その他)

  • 患者及び家族とのコミュニケーション、インフォームドコンセント
  • 医療スタッフとの協調、協力
  • 症例検討会への参加
  • 文献検索等の情報収集
  • 学会活動
    • 日本泌尿器科学会総会(春)、日本泌尿器科学会東部総会(秋)、日本癌治療学会(秋)、日本癌学会(秋)、日本泌尿器科学会新潟地方会(年4回)、年に10 回ほどある新潟県内で開催される研究会への発表・参加を推奨する。
  • 論文執筆
    • 学会で発表したことを論文執筆することを奨励し支援する。目標として、症例報告で一編、臨床統計で一編の論文を作成する。

【3年次】

(手術)

  • 自分で考え、今まで教わった手術術式の習熟と自分なりに改善点を 見つけて創意工夫を行ってください。

(外来)

  • 新患のみならず週1~2回の再来診療も担当し、幅広い診断技術を習得し、治療・手術適応の判断を自立して行える。
  • わかりやすい診断結果の説明・十分なオプション提示・クリティカルパスに基づいた治療内容の説明等を通して、接遇面・コミュニケーションスキルの向上が要求される。

(病棟)

  • 病態や家庭内事情の複雑な背景を有する症例、術後合併症の発生した症例に対しても、適切な治療方針の決定・変更が行える。

(臨床研究)

  • 学会等に積極的に参加する。自施設の診断技術や治療成績を検討した臨床研究を学会・論文発表する。

【4年次】

  総仕上げの4年目です。

(資格)

  • 泌尿器科専門医資格の取得を目指します。

【研修終了後】

 研修期間は3年間または4年間を想定しています。終了後は本人の意志を尊重しますが、新潟大学の泌尿器科医局に一旦所属し、そこから個々の希望研修内容に応じてふさわしい施設を選択し、専門的研修を継続されることをお勧めしますが、県立病院のスタッフとして残るなど選択肢は多数あります。

 新潟県内の多くの病院が泌尿器科専門医を求めています。

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