頭頚部のがん: 喉頭がん
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喉頭(いわゆるのどぼとけ)は声帯を含んだ臓器で下咽頭の前方にあります。機能は口から気管、肺につながる空気の通り道で、食事の際に肺に入らないように気管に蓋をする役目もあります。もうひとつの機能は声帯による発声機能です。喉頭がんは声帯にできるがんを声門型、それよりも上にあるものを声門上型、下にあるものを声門下型と区別しています。喉頭がんの原因は声門型が喫煙、声門上型が過度の飲酒と言われています。病理組織は主に扁平上皮癌で声門型が2/3、声門上型が1/3、声門下型はまれです。それぞれの部位により病気の特徴や治療法が異なります。
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声門型の患者さんでは嗄声(声がかれること)を訴える方が多く1ヶ月くらいしても治らない方は受診をお勧めします。放っておくと血痰、呼吸が苦しくなってきますが頸のリンパ節転移や肺転移などは少ないのが特徴です。声門上型はのどの違和感や痛みで受診することが多く、声門型よりも頸部リンパ節転移が多い傾向にあります。声門下型は症状を出しにくいために進行して、嗄声や呼吸困難で受診される方もいます。
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診断は鼻腔からのファイバースコープが有用です。その際にファイバーを使用した組織生検で病理検査(病理医による組織の顕微鏡検査)を行います。さらにCT、MRIなどで進展範囲、頸部リンパ節転移、遠隔転移のていどを調べて病期分類(2005年10月改訂の頭頸部がん取り扱い規約による)を決定して進行度を判定します。
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一般的に喉頭早期がんは放射線治療、進行がんは手術中心の治療になります。抗がん剤は進行がんで喉頭温存を希望された場合に放射線と併用します。手術は喉頭部分切除と喉頭全摘があります。早期がんや小さい再発がんに部分切除を施行することが多く、声の質は悪くなりますが声帯は保存ができます。喉頭全摘では声帯の喪失により発声することが不可能になりますが、食道発声というリハビリや電気喉頭という器具でコミュニケーションをとるのが伝統的です。他に当科ではプロボックス手術という方法で術後患者さんの発声機能の回復に努めています。これの原理は気管・食道シャント(気管と食道の間に小さな孔をあけること)を経由して肺の空気を咽頭に送りこみ粘膜を震わせることで発声を可能にすることです。当科ではそのシャントにプロボックスボイスプロテーゼというシリコン製のチューブを留置しています。声の質はほとんど肉声に近いもので比較的容易に発声機能を再獲得することが可能です。
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頸部郭清術は喉頭がんが頸部リンパ節に転移していたり、転移している可能性が高い場合に選択される手術です。リンパ節のみでなく連続するリンパの流れをひとかたまりにして切除します。実際には頸の大血管(頸動脈、頸静脈)、多くの神経、筋肉のまわりに細かくまとわりつく脂肪組織のみを切除する手術です。リンパ節転移の癒着のていどで内頸静脈、神経・筋肉の一部を切除することもあります。
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頸部郭清術後の方は、手術後に首から肩にかけての知覚および運動障害が問題になります。当科ではなるべく治療後の機能低下が少なくなるように肩の運動リハビリなどを導入するようになりました。







