頭頚部のがん: 口腔がん(こうくうがん)

1

口の中にできるがんです。舌がん(ぜつがん;舌にできるがん)、口腔底がん(こうくうていがん;舌と歯ぐきの間にできるがん)、歯肉がん(しにくがん;歯ぐきにできるがん)、頬粘膜がん(きょうねんまくがん;頬の内側の粘膜にできるがん)、硬口蓋がん(こうこうがいがん;口の中の天井にできるがん)に分けられます。

2

初期はしこりが触れるのみの場合がよくあり、硬く触れるようなら専門医の診察が必要です。がんの場合にそのまま放置しておくと大きくなったり、潰瘍を作って出血や痛みを伴うことが多くなります。さらに大きくなると喋りにくくなったり、食べにくくなったり、場合によっては頸のリンパ節が腫れてくることもあります。

3

診断は局所麻酔で組織生検を行い病理検査(病理医による組織の顕微鏡検査)を行います。口腔がんのほとんどは扁平上皮がんという種類です。さらにCT、MRIなどで進展範囲、頸部リンパ節転移、遠隔転移のていどを調べ病期分類(2005年10月改訂の頭頸部がん取り扱い規約による)を決定して進行度を判定します。

4

治療はほとんどが手術治療です。早期がんは手術でも重篤な後遺症が残ることは少ないのですが、進行がんは手術、放射線、抗がん剤を組み合わせた治療になります。拡大切除になると欠損部の再建に組織移植(ご自身の体から採取する前腕皮弁や腹直筋皮弁を移植)が必要となり、頸部郭清術も行われると10時間ていどの長時間手術になります。頸部郭清術は口腔がんが頸部リンパ節転移や、転移の可能性がある場合に選択されます。この手術はリンパ節のみでなく連続するリンパの流れをひとかたまりにして切除します。実際には頸の大血管(頸動脈、頸静脈)、多くの神経、筋肉のまわりに細かくまとわりつく脂肪組織のみを切除する手術です。リンパ節転移の癒着のていどで内頸静脈、神経・筋肉の一部を切除することもあります。

5

再建術、頸部郭清術後の方は、手術後に食事や言葉の機能低下、首から肩にかけての知覚および運動障害が問題になります。当科ではなるべく治療後の機能低下が少なくなるように、嚥下リハビリ(飲み込みの訓練)、肩の運動リハビリなどを導入するようになりました。

「がんおよび各種疾患についての説明」へ戻る | このページの先頭

診療のご案内