頭頚部のがん: 唾液腺がん
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唾液腺は唾液を作る臓器で、大唾液腺は耳下腺、顎下腺、舌下腺に分けられ、小唾液腺は口や咽頭の粘膜に存在します。唾液腺がんのほとんどは耳下腺と顎下腺に発生し、頭頸部癌のなかでも5%ていどと少なく病理組織も多彩であることが特徴で(1991年WHOの分類で18種類)、病理組織によって治療法の詳細な検討が必要になります。耳下腺がんは両方の耳の下にある耳下腺から発生し、耳前部の腫脹が自覚症状であることが多いですが、進行すると痛みもしくは顔面神経麻痺(顔の筋肉が動きにくくなること)を伴います。顎下腺がんは下顎骨の下にあり、ほとんど症状がありませんがときに痛みを伴うことがあります。舌下腺がんは口腔底(こうくうてい;舌と歯ぐきの間)の腫れが特徴ですが、前にも述べた口腔底がんとの区別が必要です。他に自覚症状が頸のリンパ節腫脹だけで受診され検査の段階で唾液腺がんを発見される方もいます。
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唾液腺がんの診断は視診、触診、細い針で腫瘍細胞を吸引して検査をする穿刺吸引細胞診や組織生検で行います。さらにCT、MRIなどで進展範囲、頸部リンパ節転移、遠隔転移のていどを調べて病期分類(2005年10月改訂の頭頸部がん取り扱い規約による)を決定して進行度を判定します。
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唾液腺がんの治療の基本は手術になります。がん手術は腫瘍周囲の安全域をつけて切除することが基本なので、腫れ自体が小さくても神経や皮膚と近い場合はこれらも一緒に切除することもあります。また、術前に遠隔転移があったり全身状態が不良な方は手術以外の方法を選択することもあります。
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手術は主に耳下腺がんについて記載します。耳下腺がんの手術はA耳下腺浅葉切除、B耳下腺全摘、C耳下腺拡大全摘に分けられます。まずAは耳下腺がんのなかでも腫瘍が大きくないタイプに施行されます。Bは腫瘍が大きく耳下腺全体に広がっているが、耳下腺にくるまれているタイプが適応です。Cは腫瘍が耳下腺外に露出して、周囲の組織(皮膚、筋肉、軟骨、骨)に浸潤しているときに施行され、組織欠損が大きいときには腹直筋皮弁などの遊離組織移植が必要になることもあります。以上の手術の際に顔面神経の扱いは、術前に顔面麻痺のある腫瘍は神経を切除、神経が腫瘍に巻き込まれているような場合も切除、腫瘍と神経に間に耳下腺組織がある場合はなるべく保存するように心がけています。もし、腫瘍と神経が癒着しているよう場合は低い悪性度の腫瘍であれば神経を保存する努力をします。
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頸部郭清術は頭頸部がんが頸部リンパ節に転移していたり、転移している可能性が高い場合に選択されます。リンパ節のみでなく連続するリンパの流れをひとかたまりにして切除します。実際には頸の大血管(頸動脈、頸静脈)、多くの神経、筋肉のまわりに細かくまとわりつく脂肪組織のみを切除する手術でリンパ節転移の癒着のていどで内頸静脈、神経・筋肉の一部を切除することもあります。
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頸部郭清術後の方は、手術後に首から肩にかけての知覚および運動障害が問題になります。当科ではなるべく治療後の機能低下が少なくなるように、肩の運動リハビリなどを導入するようになりました。







